井上果樹園は、園主と奥様、お二人で営まれるアットホームな農園です。
土づくりからこだわり、除草剤は使いません。
また、無肥料で、草生栽培を行っておられます。
そのことについて伺うと、園主曰く、「土の中は微生物の世界。何よりも重要なことは、”微生物が増殖する環境を整える”ということ。農家の仕事とは、微生物と植物の共生関係を手伝うのみ。何かを加えることではない。土壌が、微生物の喜ぶ状態となるよう管理をすることが、本当に必要なもの。」なのだそうです。
井上果樹園に一歩足を踏み入れると、そこには一面の草々が広がります。そして、その草に囲まれて育つ柿の木。踏みしめるとふっくらとした草の感触が伝わり、まさに今、自然のど真ん中にいるのだと実感できるはず。
自然の恵みに包まれて柿を育てるスタイルに、井上果樹園が、生態系のひとつとして取り入れられていることを感じさせてくれるでしょう。
野趣味溢れる環境で育つ柿だからこそ、自然の力をしっかりと取り込み、生命力に満ちた逸品揃いとなることも納得です!
ちなみに、園主の行う有機栽培については時おりセミナーが開催されており、園主からその詳細を伺うことが可能なんですよ。
井上果樹園では、こいひめと富有柿の2種が栽培されています。
こいひめ、柿好きな方にとっては、「あの幻の?!」と驚かれる品種です。珍しい物なので、「知らなかった」という方も多くおられるかもしれません。少し解説しますね。
こいひめとは、甘柿に分類され、高い糖度を誇りながらも育てにくいとして、なかなか日の目を見なかった品種です。しかし、この美味しさを広めたいと、園主が努力を重ね重ね重ね、ついに、安定した収穫が叶うまでになりました。実は、こいひめという名称も、園主の名づけによるものなんですよ!
もちろん、こいひめの美味しさは折り紙付き。ひとくち頬張ると、最高の甘味がおくち全体に広がります。それは、マンゴーにも例えられる高糖度。最高26度、平均でも22度というから、驚きです!滑らかな果肉の食感も、幸せを感じさせてくれますよ。
ただ、こちらは、販売のみ。柿狩りは行っておりません。
柿狩りができるのは、富有柿。
10月15日~11月30日の期間で行われます。
もちろんこちらも、こいひめに負けず劣らずの美味しい実りが味わえます。
井上果樹園の富有柿は、大玉で甘いと評判の逸品。より甘く、より美味しくと、日々工夫を重ね、レベルアップさせているというから、今年だけでなく来年も、ずっとずっとの楽しみが続く柿狩りとなっているんですよ。
また柿以外にも、柿飴も販売。完熟柿で作る柿飴は、おばあちゃん秘伝のレシピなんだとか。素朴な味わいが後を引き、ひとつ、もうひとつと、手が止まらない美味しさです。
井上果樹園では、お客様に喜んでもらうため、おいしさに加えて安心・安全を求め、日々努力を重ねられています。夫婦ふたりの農園なので、時には大変な作業となることも。しかし、買った人に喜んでもらえるよう、栽培へのこだわりはずっと継続させ、これからもまだまだ極めていくのだと、力強く語っておられました。
幻のこいひめに、そして大玉の富有柿に、出会ってみませんか!